Oct 17, 2009
永久脱毛でムダ毛処理をしようとする
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【高橋昌之のとっておき】
今年も3日に憲法記念日を迎え、各地でさまざまな集会が行われました。憲法改正を求める声は時代の流れとともに強まってきているのですが、改正はまだ現実味のあるものとしては受け止められていないのが現状です。
しかし、ここにきてようやく、それに風穴を開ける動きが民主、自民両党内から出始めました。というのも、両党の国会議員有志が、憲法改正案の発議要件を現行の衆参両院の各3分の2以上の賛成から、各院の過半数の賛成に緩和することを目指す超党派の議員連盟の設立に動き出したからです。
中心メンバーは民主党の長島昭久前防衛政務官や自民党の古屋圭司衆院議員らで、今月中に議連を発足させ、自民党からは100人以上、民主党からは約50人が参加する見通しです。憲法改正案の提出には衆院で100人、参院なら50人の賛同者が必要で、議連では憲法改正に反対の共産、社民両党以外の議員に呼びかけ、提出に必要な議員数を確保することにしています。
憲法96条は「この憲法は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を得なければならない。この承認には、特別の国民投票または国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定しています。
議連が目指しているのは、まずこの発議要件の「衆参各院の3分の2以上の賛成」を「衆参各院の過半数の賛成」に改正しようということです。憲法改正を主張する方の中にも「96条だけを改正するのは“邪道”だ」という意見がありますが、私は全くそう思いません。
確かに現行憲法には9条にとどまらず、現実とはそぐわない条文が多々あります。また、施行から64年たって、これからの日本という国のあり方を考えた場合、新たに加えるべき条文もあると思います。
それらをすべて取りまとめて改正できればいいのですが、現実的には不可能といっていいでしょう。それは、発議に必要な衆参の各院で3分の2以上の賛成を得ることが事実上、無理だからです。
実際、戦後の政治で衆参両院ともに3分の2以上を確保した政党、政治勢力はありません。政党や与野党の立場を超えて合意できれば発議は可能ですが、各条文の一言一句についてそれだけの議員が合意することはありえないでしょう。
本当に憲法を改正しなければならないと考えるなら、現実的にどう実現するかということも真剣に考えるべきだと思います。そうでなければ、立派な憲法改正論も単なる空理空論、ファッションになってしまいます。
私も憲法改正が必要だと考える一人ですが、そのためにはまず96条だけを改正して、発議要件を「衆参各院の過半数の賛成」にすることが現実的な道だと思います。
というのも、96条に限定した憲法改正なら、争点は「憲法改正を事実上、不可能な状態で放置するのか、可能な状態にするのか」という一点に絞られますから、発議に必要な衆参各院の3分の2以上の賛成を得るのではないかと思います。また、国民の間でも憲法改正が必要という認識は強まっていますから、国民投票でも過半数の賛成を得られる可能性はかなりあるといっていいでしょう。
「他の条文の改正もできるだけ含めよう」と考える必要はありません。1回目の改正は96条の発議要件の緩和だけでいいのです。というのは、その改正だけで、憲法改正上も日本の政治のあり方という観点からも、極めて大きな意味をもっているからです。
第1に、憲法改正の発議が事実上、不可能な状態から、可能な状態になることで、「憲法は国民のものになる」ということです。現行憲法は昭和22年の施行以来、改正の発議が行われたことはありませんから、それを受けた国民投票も行われたことはありません。
日本の国のあり方を決める憲法を改正するのか、しないのか、改正するならどのように改正するのか、国民は問われたことがない、つまり手の届かない所に置かれてきたわけです。
国民投票の手続きを定めた国民投票法でさえ、成立したのは平成19年で、昨年5月に施行されたばかりです。それは憲法改正の発議が不可能と考えられてきたからに他なりません。
憲法改正の発議が可能な状態になり、現実に発議されれば、国民はそれを承認するのか、しないのか判断を求められることになります。国民は改めて憲法を勉強し、日本のあり方を考えて投票することになります。そこで初めて憲法は「国民のもの」になるのです。
第2に、発議要件を「衆参各院の過半数の賛成」とすることにも、大きな政治的意味があります。「衆参各院で過半数」という政治勢力は、政権与党を意味します。つまり、政権与党はつねに憲法改正の発議について責任を負うことになるのです。
そうすると、政権与党を選ぶ国政選挙では、憲法改正が争点になりますから、政権獲得を目指す政党は、マニフェスト(政権公約)に、憲法改正についての方針を掲げざるをえなくなります。当然、政党内の、そして国政選挙における政党間の憲法改正論議は真剣なものになるでしょう。
場合によっては、憲法改正論議が発端となって、政党の再編が行われるかもしれません。憲法という国の根幹の理念をめぐって、政党が整理、再編されるなら、日本の政治にとって好ましいことだと思います。
一方、国民の側も、憲法改正の発議を受けた国民投票だけでなく、国政選挙のたびに憲法のあり方を考えて投票する政党を選ぶことになります。憲法論議はこれまでと比べものにならないほど、活性化し、日常化することでしょう。
こうしたことから、96条の憲法改正を発議する要件の緩和は、日本を「憲法=国のかたち」を「考えない国」から、「考える国」に変える絶大な効果を持っているのです。それを通じて、憲法は間違いなくあるべき姿になっていくと思います。したがって96条だけを改正することは「邪道」どころか、日本の政治を「正しい方向に導く道」だといえます。
ただ、この96条の改正も、発議は国会議員にしかできません。憲法を「国民のもの」にするために、まずは国会議員が行動を起こしてもらいたいと思います。
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